書を繙(ひもと)く

緑内障の新常識

ごきげんよう。 本日は、緑内障についてとても良い一冊に出会ったお話を。 この本は、緑内障にまつわる疑問をQ&A形式で、一つひとつ丁寧に解きほぐしてくれます。 専門書にありがちな難解さはなく、それでいて内容は実に本格的。執筆されているのは現役のお…

『幸福な生活』

短編集を読み終えました。 ひとつひとつが独立していて、まるで別々の作家の作品を集めたオムニバスだと言われても疑わないつくり。文体も温度も視点も異なり、これを同一人物が書いているのかと読むたびに揺さぶられます。覆面作家の寄せ集めなのか、ゴース…

自律神経って

自律神経について悩んでいる方であれば、一度は耳にしたことのある内容が、丁寧に、噛み砕くようにまとめられた一冊でした。 「なぜそれが大切なのか」 「なぜ乱れるのか」 を、日常の感覚に寄せて説明してくれるため、とても読みやすい印象です。 一方で、…

『カエルの楽園』

最初の数ページをめくった時、アンデルセンやグリム童話のような寓話が始まるのかしら、と軽く構えておりました。カエルの国が舞台というだけで、どこか牧歌的で優しい物語を想像してしまうものです。 ところが読み進めるほどに、胸の奥を撫でるような不穏さ…

『スタンフォード式 最高の睡眠』

オックスフォード式、ハーバード式と、世の中には「◯◯式」と名の付く学びが数多くございます。何がそんなに違うのかしら、と興味が募り、今回手に取ってみたのが『スタンフォード式 最高の睡眠』という本。 読み進めてみると、日々当たり前のように繰り返し…

『夢を売る男』

図書館で蜂にまつわる物語を探していた折、ふと目に留まった一冊が『夢を売る男』でした。タイトルの妙に胸をくすぐられ、そのまま手に取ってみたのですが、これが思いがけず素敵な出会いとなりました。 どこか喪黒を思わせるタイトルながら、文章は驚くほど…

好きなことだけで生きていく

凡人と天才では、物の見方そのものがまるで違うものなのだと、改めて気づかされる一冊でございました。思わず「なるほど」と膝を打ちたくなる部分がある一方で、「それは違うのではなくて?」と反論したくなる箇所も散見される、刺激的な内容でございます。 …

1時間でハングルが読めるようになる本

『1時間でハングルが読めるようになる本』を読み終わりました。 タイトルには「1時間で」とありましたが、わたくしの場合は1日かかりました。 それでもハングルを学び始めた頃に比べて、だいぶ文字が読めるようになっていて、自分でも成長を感じています…

いい言葉はいい人生をつくる

「いい言葉はいい人生をつくる」 タイトルを見たとき、正直少しお説教のような印象を受けて、読むのに気合いがいるかな……と思ってましたが、その心配はすぐに消えました。著者がメモに取っていたであろう、いい言葉たちが秀逸で、押しつけがましさもなく、す…

『BABEL』日野草|タイトルに惹かれ塔に迷い込む

「バベル」 永遠の厨二病疑いのあるわたくしには抗い難い、意味深でドラマチックな響き。 そうして読んだのが、日野草先生の『BABEL』。まったくもって、面白ゅうございました。 最初は、「この人が◯◯なのね」などと思っておりましたのに、最後には「え、ま…

毒舌執事、再び!『謎解きはディナーのあとで3』の魅力

『謎解きはディナーのあとで』が読みやすかったので、続きが気になり、読み終えたその足で、図書館へと参りました。 どうしても2巻が読みたくなりまして。ところが、棚にあったのはなぜか3巻だけ。 「まぁ、きっと読切形式ですし、飛ばしても平気ですわよ…

サラリーマンの皆さま、寝ている間にお金を増やす方法、ご存じかしら?

この記事は読書感想文ですわ。 毎日、朝から晩まで働いて、ほんの少しのお給料。それをやりくりして生活していく……そんな日々に、ふと「このままでいいのかしら」と思うこと、あると思いますの。 『サラリーマンは寝ながら”もっともっと”お金を増やしなさい…

貧乏令嬢、いきなり八巻目を繙く

■ 赤川次郎『友の墓の上で』にて気付いた、読み順の大切さ 本日は、私のうっかりから始まった読書体験をひとつ、書き留めておきたく思います。 書の名は――赤川次郎先生の『友の墓の上で』。 実はこの作品、**短編集の「八巻目」**に当たるものと後から知りま…

謎解きはディナーのあとで――お嬢様の心構えを学べる一冊

「謎解きはディナーのあとで」を拝読いたしました。軽妙な会話劇と本格的な謎解き、そのどちらも楽しめる作品でございますけれど、私にとってはそれ以上に、“お嬢様の在り方”と“執事の使い方”を考えるうえで大変参考になる書でございました。 令嬢とは何か、…