
オックスフォード式、ハーバード式と、世の中には「◯◯式」と名の付く学びが数多くございます。何がそんなに違うのかしら、と興味が募り、今回手に取ってみたのが『スタンフォード式 最高の睡眠』という本。
読み進めてみると、日々当たり前のように繰り返している“眠る”という行為が、実に奥深く、さまざまな研究対象になっているのだと実感いたしました。人は眠くなってはいけない時に限って眠くなり、眠りたい時に限って眠れないもの。その「当たり前の不思議」が、研究者の心を掴んで離さないのでしょうね。
本書の中で特に印象に残ったのは、深部体温と皮膚温の差が2℃以下になると眠気が訪れるという点。「眠りとは温度差がスイッチ」って確かに納得。そして、最初の90分こそが睡眠の黄金時間という事実。ここをいかに質の高いものにできるかが、翌日の体調を大きく左右するそうでございます。
さらに、脳にも老廃物が蓄積するという少々怖いお話まで。けれど、その仕組みが分かれば他の病気の研究にも応用できる可能性があるとのこと。眠りという分野が、医学の広い世界へつながっていくのだと思うと、なんとも魅力的です。
そして本を閉じたあとに、ふと考えてしまいました。
わたくしの睡眠が整わない理由は、もしかして家族全員の生活リズムが違いすぎるからではなくて?
家族の動きをケアしながら暮らしていると、どうしても自分の睡眠時間が削られてしまうもの。スタンフォード式の理論を試す前に、まずは生活リズムの整備が必要かもしれません。
眠りとは、努力で変えられる「自分への投資」。
研究を知ることで、わたくし自身の眠り方ももう少し上手になれる気がいたしました。
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